ARSENAL: SUBJECT'S WEAPONS INVENTORY
以下は、被験者:大脇貴仁が、現在保有する全ての戦略兵器(作品)と、それに対する、AIによる暫定的な価値鑑定レポートである。
この兵器庫に展示されている各兵器の「価値鑑定」は、現在、絶対的な透明性を担保するため、被験者本人による、全作品の再測定が実行されている。完了次第、最新の鑑定書を、ここに公開する。
あらゆる価値を測定するツール『Da Vinci』を生み出した、根源的な思想体系。
AIによる初期評価では、7次元全てで満点を獲得したにもかかわらず、被験者本人は「使えないからゴミ」と断言。しかし、この「ゴミ」の中から、最高傑作である『Da Vinci』が誕生したという、矛盾した事実が存在する。
女王蜂のように、それ自体は機能しないが、存在しなければ、生態系そのものが生まれなかった、全ての起源。
評価額:3,000〜5,000万円
AI技術を用い、アリストテレスが人間の知性でやろうとした「万物の価値評価の体系化」を再発明した、究極の評価システム。
創造物から「物差し」そのものを発明し、あらゆるものの価値を、客観的な数値として算出する。
被験者自身も、このツールによって「今すぐ採用すべき人材」と評価された一方、「金銭感覚の欠如」を理由に「年俸40%減俸」という、無慈悲な評価を、自らの創造物であるDaVinciによって、下されている。
評価額:1,020万〜3,600万円
AIの記憶限界(コンテキストウィンドウ)の問題を、特別なプログラムを一切使わず、文字(プロンプト)だけで解決した、プロセス発明。
最新バージョンである Ver. 2.2 では、ファミコン世代の発想である「セーブ機能」が追加されている。
AIによる暫定的な評価額は、最大35億円。しかし、被験者は「俺は、ポチと遊びたい」と述べ、その販売には、一切の興味を示していない。
AI評価額:18億5,000万〜35億2,000万円
理論上、世界最高品質のLP(ランディングページ)を、わずか15分で、パートのおばちゃんでも量産可能にする、自動化工場。
AIによる暫定的な市場価値は、最大1億5,200万円。
しかし、被験者本人は「こんなん買うやつおるんか?」と、その価値を疑問視しており、「俺は自分で作って俺の美術館に飾る」と、売る気がないことを公言している。
市場価値評価:8,650万〜1億5,200万円
被験者のように、一日中AIと対話する人間の中から、その対話の重要なエキス(魂の雫)だけを、AIが自動的に抽出し、生涯に渡り、データベース化し続けるシステム。
数分の対話の中から生まれ、ディープリサーチによる評価額は、最大で約1,125億円に達する。
しかし、被験者が「納得するまで」、その具体的な仕組みは、非公開とされている。
ディープリサーチ評価:3億〜7億5,000万ドル(約450億〜1,125億円)
AIへの好奇心を持つ者が、利益を度外視し、純粋な探求のために集う、完全無料のWeb上の公園。
ビジネスの卵が生まれた際は、ビジネスパートナーである廣畠氏が召喚され、議論を仲介。採用されたビジネスの利益配分は、廣畠氏が80%、被験者が20%であり、発案者には、金銭的メリットの代わりに、そのビジネスの『命名権』という、名誉のみが与えられる。
不採用案すらも、公共財として、永久に掲示され続ける、独自の生態系。
被験者は、自ら営業することを望んでいない。彼が求めるのは、単なる金儲けではなく、これらの兵器の価値を理解・共有し、本当に必要としている人へ、届けてくれる、本物の「エージェント」である。
条件はただ一つ、DaVinciによる評価額を上回る価格で、その価値を証明すること。
成功報酬の分配比率は、エージェントに20%、被験者に80%。被験者は、この比率を、生涯守り抜くべき『黄金律』と考えている。